あるある!
ケンシです!
今日は
スパイダー討論は『学び合い』だ!?〜一人も見捨てない討論〜
について書きたいと思います。
以前、ブログに
1人も見捨てない「社会」の実現のために討論授業は必要か
について考えたいと思います。
『学び合い』実践者の多くは、
必要ない
と答えると思います。
討論は参加できない子を見捨てる授業だとお考えになるのではないでしょうか。
でも、ケンシは必要だと考えていました。
1人も見捨てない教育を目指すのなら、必要ないと思いますが、1人も見捨てない「社会」の実現のためには必要と考えます。
例えば、生徒が大人になって子供を生んだとしましょう。
住んでいる地域にはあまり子どもたちの遊び場がありません。
唯一の遊び場であった公園を、高齢化のために老人ホームの誘致を市が始めたとしたら。
その生徒は、市の政策に反対したいはずです。
そのために、問題を探究し、諸団体と対話し、声を上げなければいけません。
でも、その生徒にはそういう力がないとしましょう。
ここで、『学び合い』実践者の発想でいけば、
力がある人に、力を借りればいい
になると思います。
しかし、数年間の『学び合い』だけで、
将来、仕事で忙しい中、問題を探究し、諸団体と対話し、声を上げてくれる誰か
とのつながりを保障できるでしょうか。
できなかったら、公園の存続を望む生徒の幸せは誰が守れるのでしょうか。
https://kenshimanabiai.hatenablog.com/entry/2019/04/27/131342
と書きました。
要は、一人も見捨てない社会の形成のために、『学び合い』の基本形?
課題提示
語る
生徒の学び
教師のフィードバック
で展開される授業だけでいいのか?
討論など主権者を育成する授業も必要ではないか
と考えました。
でも、討論だと学べない子が出てくるかもしれない。
そう考えていました。
そこで最近やっと読めたのが、
最高の教室 スパイダー討論が教室を変える アレキシス・ウィギンズ 吉田新一郎訳 新評論 2018
です。
スパイダー討論においては、教師はほとんどの場合静かにしています。17
クラスでスパイダー討論を行っているときは、生徒たちから離れた後ろのほうに座って、生徒たちと視線さえあわせません 17 18
スパイダー討論の英語名 Spider Web
Synergetic 相乗効果
→チームで行う。バランスが大切。チームの成績がある(一回毎の話し合いに対してチーム全体の成績を出す)。 18
→Practiced 練習し続ける
→継続的に練習し続け、振り返りをしっかり行う。イベント的には行わず、書くときと同じくプロセスと捉える 18
→Independent 自立した
→教師の介入は最低限に留める。18
→生徒たちは自分たちで話し合いを進め、自分たちで評価する 18 19
→Developed 発展する
→話し合いが深まり、それ自体が進化して、常にどこかに向かっていく 19
→Exploration 探究する
→これこそが主要な目標。単なる話し合いではなく、話し合いをベースにした(テキストや鍵となる質問についての)探究 19
→Rubric ルーブリック
→これがプロセス全体の土台。生徒たちが容易に自己評価できる、明快で簡潔な評価基準表 19
サッカーの試合を想像してください。全員が同じチームのメンバーで、ゴールに入れようと努力します。生徒たちには、私はコーチだと思ってもらいます。できることは、サイドラインから少しの指示を出すぐらいで、間違いなくスタープレーヤーではありません。そして、私たちは運命共同体でもあることを告げます 52
メンバーが全員の顔を見えるように、教室の机と椅子を円か楕円形になるように配置 52
クモの巣図は、フィードバックの視覚的なツールとしてとてもパワフル 57
など述べられています。
良い探究のための討論です。
教師はコーチ。
生徒の発言を
クモの巣のようにメモして
残り時間フィードバックします。
しゃべり過ぎの子はいないか
しゃべれなかった子はいないか
スパイダー討論は、
一人も見捨てない
という願いを感じます。
ある意味、『学び合い』ですね。