ご一読を!
ケンシです!
今日は
『22世紀の民主主義』を社会科教師はどう生かすべきか
について書きたいと思います。
22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる 成田悠輔 SB新書 2022
を読みました。
民主主義と闘争する、逃走する、つくりかえる
3つのアプローチについてよく学べる本です。
この本を通して、社会科教師は自らの社会科観や生徒の社会科観を
問い直す機会がつくれるなと思いました。
具体的に3つのポイントがあるように感じます。
1 合理的な投票ができる主権者を育てる
本書では
選挙なしの民主主義は可能だし、実は望ましい 160
と述べられています。
ポピュリズムなどに流されてまともな投票をしている人は少ないことが背景です。
これに対して、
社会科は
合理的な投票ができる主権者を育てるのが社会科なのかも!?
と改めて問い直す機会にできると感じました。
2 投票以外の政治参加もできる主権者を育てる
本書では、主に
政治参加=投票
という論調で議論が進んでいきます。
これに対して、
投票以外の政治参加もできる主権者を育てるのが社会科なんだぞ!
と問い直すことができます。
政策提言やロビー活動などがありますね。
まさにこの本では、現在の投票制度を痛烈に批判し
本当に問題なのは、情報通信環境が激変したにもかかわらず、選挙の設計と運用がほとんど変化できていないこと 82
などと述べています。
このように、選挙制度の在り方そのものを提言できる主権者を育てるのが社会科なのかも!?
と問い直す機会になります。
3 熟議で考え続ける主権者を育てる
本書では、
無意識データ民主主義 17人間はふだんはラテでも飲みながらゲームしていればよく、アルゴリズムの価値判断や推薦・選択がマズいときに介入して拒否することが人間の主な役割になる 20
を主張しています。
人々の日頃の会話や体温などをデータ化して、それをエビデンスにしアルゴリズムが判断を下す。
それがあまりにもマズイ場合は人間が介入すれば良いという主張です。
そもそもデータをどうやってとるんだ、、、
という話もありますが、それは技術の発展ということで一旦おいておきます。
この方法に対して、
熟議で考えが変容する可能性があるのに、いつのデータをとるんだ??
とも疑問が浮かびますが
選挙だから!
熟議をするというのはもちろん
常日頃から熟議をする必要があるんですね。
熟議で考え続ける主権者を育てられているか、問い直す機会になりました。
ぜひ、社会科に携わる人はご一読いただけると幸いです。