やめときな、正義だ悪だと口にするのは!! この世の何処を探しても答えはねェだろ くだらねェ!!!
ケンシです!
今日は
ONEPIECE(ワンピース)を教員が読むべき理由〜1036話 感想・解釈〜
について書きたいと思います。
実はケンシ、ONEPIECE(ワンピース)めちゃくちゃ好きなんですよね。全巻持ってます。毎週ジャンプでも読んでます。
そこで、最新話でとても心を揺さぶられたので、ONEPIECEを教員が読むべき理由を書きたいと思います。
ONEPIECE読んだことないな
ONEPIECEをどう教育に生かそうか考えてみたい
という人に貢献できれば幸いです。
※この記事は、ネタバレを含みます。ネタバレが嫌な人は読まないでください。
1 圧倒的教養に触れられる
最新話、1036話のタイトルは「武士道と云うは死ぬことと見つけたり」となっています。作者の尾田先生は、様々な文化に精通しており、それが作品の端々に織り込まれています。
この文章は、武士がみんな読んだと言われている『葉隠』の一節です。
こうした文化をオマージュしているので、ONEPIECEを通して、生徒のみんなと文化について考えられます。
武士道ってなんなんだ。みんなにとって「信念」とは、、、
2 宗教、哲学について学べる
今回の話では、サムライがでてきます。
窮地に立たされ、死を選ぼうとします。
そこで、ウソップというキャラクターがあるセリフを言うのです。
何が潔しだ!
何が責任取ってハラキリだ
お前らの文化 おれは好きじゃねェな!
おれは鼻水たらしても"生"にしがみつく!
見苦しても!
生きて!
生きて!
生き延びてきたから
今生きてんだ!
討ち入って満足してんじゃねぇバカ共!
というセリフです。
しびれます。臆病で逃げながら戦つてきたウソップ。他のクルーより弱いことを自覚しながら、生き延びてきたからウソップ。
彼が言うからこそ、染みました。
ウソップは、ひょんなことから大活躍し、「ゴッド」と呼ばれるようになりました。
ここも、非常に面白いなと思いました。「ゴッド」と呼ばれるウソップが武士道という一つの宗教観を否定する。ウソップ自身が、生にしがみつく自らの信念を吐露する。ゴッドに近づいていく描写でした。
これは、ある意味
ウソップはニーチェとして解釈できる
とも考えました。
ドイツの腐敗をキリスト教が過度に国を蝕んでいたことに着目し、「神は死んだ」と述べ、「生」の力強さを述べたニーチェです。
彼自身が、一つの宗教を打ち倒し、哲学を樹立しようとしたように、ウソップも武士道を打倒し、ウソップ自身の哲学を樹立した。そんなシーンが1036話だったのかもしれません。
このように、こんな解釈できるかも?
という視点で、ONEPIECEを通して、宗教や哲学について学ぶことも可能です。
また、『葉隠』では、武士道は本当に死ぬというよりは、死んだつもりで腹をくくって生きろというメッセージがメインなのではないかという解釈もあります。
もしかすると死を選ぼうとしたサムライたちより、腹をくくって生き抜くウソップこそが、武士道を貫いている、そのような解釈も可能かもしれません。
3勧善懲悪的な世界観の調整
今、主人公のルフィがカイドウという敵と戦っているのですが、ルフィが笑いながら「楽しくなってきた」といいます。
そして、カイドウも
俺もだ
と言って笑うのです。悪役ながら、爽やかで胸がスカッとします。
そして、今回書かせていただいている1036話の前の話では、カイドウの過去も描かれています。
アンパンマンや戦隊モノなどで、
「悪いやつは殴ってよし」
という価値観に触れてきている人が一定数います。
こうした中で、「悪いやつ」の物語や爽やかさを尾田先生はとてつもなく上手に描いてくれます。
正義、悪。その基準は何なのか。
そんな問いももらえます。
いかがでしたでしょうか?
ONEPIECE読んだことないな
ONEPIECEをどう教育に生かそうか考えてみたい
という人に貢献できれば幸いです!