ケンシ@『学び合い』と真正の学びブログ

本の紹介、高等学院の立ち上げ、育児について書いています。以前は、『学び合い』、真正の学び、社会科教育などをメインに書いていました。

進路指導に必須!?『キャリアカウンセリング入門』

 

アプロ11号は〜!
ケンシです!


今日は


進路指導に必須!?『キャリアカウンセリング入門』


について書きたいと思います。


キャリアカウンセリング入門  人と仕事の橋渡し  渡辺三枝子  ELハー  ナカニシヤ出版  2001


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は、


様々な論が飛び交うキャリアカウンセリングの交通整理を目的に書かれた本です。

 

 

 

 

 

 

キャリアカウンセリングへの関心が高まった理由
→日本特有の雇用慣行が大きく揺らぎ出した結果  2
→フラット型組織、プロジェクト型業務、成果主義  上司と部下との濃密なコミュニケーションが緩やかに崩壊   メンター機能の希薄化  2

キャリアカウンセリング
→従来の職業相談・職業紹介の新しい呼び名として用いられる場合
→キャリアガイダンス(進路指導)と区別しないで用いられている場合
→セラピィでないカウンセリングを意味し、個別の相談を指す場合
→個人のキャリア形成に関わる個別援助を意味する場合
→組織の中でのキャリア計画を支援する方策を指す場合
→キャリアカウンセリングの独自性を強調
  職業カウンセリングはマッチング  キャリアカウンセリングは加えて問題にも対処

混乱の原因
アメリカからの輸入
→キャリアという用語の解釈の多様なこと
→カウンセリングの概念の不明確なこと
→カウンセラーの果たす多様な機能とカウンセリングとの関連に起因すること

本書のキャリアカウンセリング
→大部分が言語をとおして行われるプロセスであり、カウンセラーとカウンセリィ(クライエント)は、ダイナミックで協力的な関係のなかで、カウンセリィの目標をともに明確化し、それに向かって行動していくことに焦点を当て、自分自身の行為と変容に責任をもつカウンセリィが、事故理解を深め、選択可能な行動について把握していき、自分でキャリアを計画しマネージメントするのに必要なスキルを習得し、情報を駆使して意思決定していけるように援助することを目指して、カウンセラーがさまざまな援助行動をとるプロセスである  21  (Herr  &  Cramer 1996)

キャリアガイダンスは個々人のキャリア発達とキャリアマネージメントにとって重要な知識やスキルを明らかにし、かつ個々人がそれらを獲得するのに促進するように計画された、方法と体験を統合する体系的なプログラム(Herr  &  Cramer 1992)のことを指し、キャリアカウンセリングは、そのプログラムの中の中核的な一援助過程と位置づけられるのが一般的である  23

キャリア行動へのアプローチ
→特性因子論的アプローチ  67
  →個人間の相違をもたらす要因を見つけだし、それらの要因が学習や職務遂行にあたってどの程度重要であるかを明確にすることに焦点を当てる
  →得手不得手、必要な能力、条件
  →決定論に陥りやすい
  →人と環境との適合アプローチ ともいう
→意思決定論的アプローチ 70
  →人々が選択していく過程に関与していこうとすること
  →リスクテーキングの仕方と投資
  →期待、信念
→状況・社会学的アプローチ  75
  →人は、環境から隔離された真空地帯の中で生きるということはありえない
→パーソナリティアプローチ  77
  →個人のパーソナリティの根底にある欲求や動因を強調し、選択行為は意識的あるいは無意識的にそれらを満足させようとするもの
→発達論的アプローチ  79
  →キャリア選択を選択時点の一つの行為から、キャリア発達という前進する一つの過程の一部として捉える  80

キャリアカウンセリング理論  六つのアプローチ
→特性因子アプローチ
  →能力(中略)や経験などに見合う範囲の職業について検討するのを援助する  88
→クライエント・センタードアプローチ
  →勇気づける、洞察を深めていけるように援助する  88
→サイコダイナミックスアプローチ
  →未解決の葛藤を、クライエントが把握できるように援助する  88
  →欲求を明確化するのを援助する 89
→発達的
    発達課題についての洞察を深めるのを援助する  89
→行動的
  →学習できるようにする  90
→認知行動
  →認知のしかたを修正するのを援助する 90

 

 

 

 

 

 

など、キャリアカウンセリングの定義や背景、アプローチ方法について書かれていました。
意識して使っていきたいなと思ったのが、特性因子論的アプローチ、状況・社会学的アプローチ、パーソナリティアプローチ、そして、パーソナリティアプローチの核になりそうなサイコダイナミックスアプローチです。


特性因子論的アプローチは、


歴史の勉強が得意だから、それを生かせる学部に行くのがいいんじゃない?


というアプローチ。


状況・社会学的アプローチは、


今、少子高齢化が進んでいるから介護の勉強ができる学校がいいかもね?


というアプローチ。


パーソナリティアプローチは、


憧れの先生がいて先生になりたいなら、教育学部でいいんじゃない


というアプローチ。


その核になりそうなサイコダイナミックスアプローチは、


なんで先生になりたいの?憧れに近づいてどうしたいんだろう?先生になったらどんなことがしたいだろう?それはなぜだろう?


というアプローチで、欲求を明確化していきます。哲学対話と相性がいいかもしれません。


こうしたアプローチを意識して使っていきたいです。

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