ケンシ@『学び合い』と真正の学びブログ

本の紹介、高等学院の立ち上げ、育児について書いています。以前は、『学び合い』、真正の学び、社会科教育などをメインに書いていました。

場面緘黙とどう向き合うか

 

 

納屋!

ケンシです!

 

 

今日は

 

 

場面緘黙とどう向き合うか

 

 

について書きたいと思います。

 

 

2021年4月から場面緘黙の子と関わっています。

 

 

ある場所や状況では話せるのに、特定の場所や状況では話せない状態をこの記事では、場面緘黙とします。

 

 

この記事では、

 

 

場面緘黙とどう向き合うか

 

 

について考えてみたい人向けに

 

 

本の内容と実体験を交えてまとめていきます。

 

 

それでは、参ります。

 

 

まず、本は

 

 

イラストでわかる子どもの場面緘黙サポートガイド アセスメントと早期対応のための50の指針 金原洋治・高木潤野 合同出版 2018


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を読みました。

 

 

この本では、

 

 

 

 

 

 

場面緘黙は治せる 3

 

子どもが場面緘黙の場合、保護者がシャイで社交不安の頻度が高い傾向にあり、遺伝要因の影響が最も大きいと考えられています10

 

症状を長引かせる要因のひとつとして、家族の会話が少ないこと、話さなくても困らないような家庭環境要因が挙げられています 11

 

発現頻度は0.15%~0.8% 14

(666人〜125人に1人 ならすと200人に1人か?)

 

他の状況で話しているにも関わらず話すことが期待されている特定の社会状況において話すことが一貫してできないことが最も重要な診断の条件14

 

大人しい子どもと、どう違うのですか?

→大人しい子どもや緘黙な子どもは、入園や入学後に環境に慣れて1カ月くらい経つと徐々にしゃべるようになります 15

 

なぜ話せない?

→声を聞かれるのが怖かった 15

 

はい・いいえカード 

17

 

リラックスできる環境

身振り・指さし・カード・筆記での意思表示・先生との交換日記

声をかけるが答えや反応を求めずさらりとした接し方

できることを見出し、さりげなくほめる

場面緘黙児が目立たない発表形式を用いる。例えば、黒板に書く、班の代表が読む、声が出ない時は5秒待って次に行く、書いたものを教師が読むなど参加できそうなことを子供や保護者と話し合いながら決めていきます30

 

話す相手・場所を広げる

→「学校で」「先生と」だけでは話す場面を広げる練習ができません。保護者に学校に来てもらって話す練習をしたり、友達を家に呼んで遊ぶ機会を作ったりする38

 

小さなステップを用意する

苦手なことに「少しだけ」チャレンジ

→保育園では声が出せないのに、お迎えの車に乗ってドアを閉めたとたんにしゃべり始めるという子の場合を考えてみましょう。車に乗って園庭が見えるところで窓を少し開けた状態なら話すことができるでしょうか。このように、恐怖や不安の原因になっている刺激や状況に対して「少しだけ」身を暴して(さらして)、できたという成功体験を積むことで慣れていく方法を エクスポージャー( 暴露法)かなと呼びます 43

 

スモールステップを上手に作るために場面を「人」と「場所」と「活動」の三つに分けて考えてみましょう 43

 

家での様子を保護者に動画で撮影してもらいましょう46

 

動画のチェックポイント

→話すのは年齢相応の話題か

→口数は多いか、聞かれたことや必要なことだけでなく「雑談」があるか

→話はかみ合うか、やり取りは成り立っているか

→言語能力に問題はないか(語彙や表現の未熟さ、文法的な誤りなど)

言語障害はないか(吃音、構音障害など)

→オウム返しやこだわり、目が合いにくい、コミュニケーションの取りづらさなどはないか(自閉スペクトラム症の特徴)

47

 

把握しておきたいのは、「困っていることは何か/できるようになりたいことは何か」52

 

同じ場所でも条件によって安心度が変わる54

→ドアが開いている 鍵がかかる→外から見えない部屋 カーテンが開いている

→教室の近くに人がいる 廊下や近くの教室に人がいる 廊下から声がする 誰も来ないことがはっきりしている

→子どものいる時間 放課後 平日 休みの日

→長い時間過ごした場所 初めての教室 初めての場所の方が安心して声が出せる場合もある54

 

言うことが決まっている方が話しやすい 57

 

言うことが決まっている活動

→学校でのあいさつ 日直や係活動のセリフ 教科書の音読 詩の暗唱 九九 英語の発音 歌 自己紹介 学習発表会などの発表 劇のセリフ 卒業式などのスピーチ UNO カルタ 色鬼 かくれんぼなど

57

 

はい、元気ですと答える

仲のよい友だちと個室で教科書の音読をする

九九の暗記テストの際、放課後に時間を取って担任の耳元で言う

自己紹介カードを作ってことばの教室で練習をする

相談室でスクールカウンセラーにかるたの札を読む

57

 

落ち着く時間を作る

→瞑想する

73

 

次のような配慮をすると筆談がしやすくなることも

→1対1の場面に限定して使う

→書いているところは見ない、別の場所で書くようにする

80

 

声を出すきっかけを作るための条件

→話す力がある(家庭ではよく話している)

→過度の不安や緊張がない

→本人が話したいと思っている

→話すきっかけがない

84

 

口パクからでもOK 86

 

音声の録音・再生に挑戦する 90

 

音声の再生が向かない子もいる 91

 

「話さなくても困らない」場合

→通訳やお手伝いを控えめに

→しかたがない圧力

96 97

 

0か100かの判断ではなく、実際にできそうな「落としどころ」を本人や保護者とともに考えるのが対話による合意形成です 111

 

 

 

 

 

 

など、場面緘黙の定義や支援策について述べられています。

 

 

実際に、役に立ったなぁと思うのは、

 

 

 

 

 

 

はい・いいえカード 

17

 

 

リラックスできる環境

身振り・指さし・カード・筆記での意思表示・先生との交換日記

声をかけるが答えや反応を求めずさらりとした接し方

できることを見出し、さりげなくほめる

30

 

 

 

 

 

なとです。カードを作るところまではいってないのですが、やはり

 

 

エス、ノーで答えられる質問(クローズドクエスチェン)は有効だなと感じます。

また、筆談も有効です。

 

 

うーん違うなと思うのは

 

 

 

 

 

 

子どもが場面緘黙の場合、保護者がシャイで社交不安の頻度が高い傾向にあり、遺伝要因の影響が最も大きいと考えられています10

 

症状を長引かせる要因のひとつとして、家族の会話が少ないこと、話さなくても困らないような家庭環境要因が挙げられています 11

 

 

 

 

 

 

などです。

詳しくは書きませんが、ケンシの関わっている場面緘黙の生徒さんの保護者は

 

 

まったくシャイで社交不安などない人です。

 

 

またご家庭でもよく話をされる人です。

 

 

つくづくこういう「遺伝」を持ち出すような文章は気をつけなければいけないなと感じます。

あくまで「傾向」に過ぎないからです。

 

 

まだ踏み出せてないなと思うのは

 

 

 

 

 

 

 

話す相手・場所を広げる

→「学校で」「先生と」だけでは話す場面を広げる練習ができません。保護者に学校に来てもらって話す練習をしたり、友達を家に呼んで遊ぶ機会を作ったりする38

 

 

家での様子を保護者に動画で撮影してもらいましょう46

 

 

 

 

 

 

などの実践です。なぜ踏み出せていないかというと、自分がその子への支援策の責任者ではないからというのもあるのですが、

 

 

高卒資格

 

 

との兼ね合いが大きな理由です。

 

 

その子の生涯の幸せを考えたら、場面緘黙の向き合い、他の子たちとつながる力を身につけさせるべきだと強く感じています。しかし、レポートなどを進めないと退学になってしまいます。

 

 

レポートの学習支援で手いっぱいなのです。

 

 

学習支援も場面緘黙と向き合う時間も両方、、、

 

 

といきたいところなのですが、本当に前者で手いっぱい。

 

 

なんとか卒業してもらって、「就労支援センター」などの進路を視野にいれていく形になるのでしょうか。

 

 

ケンシ自身も大いに悩んでいますが、

 

 

場面緘黙とどう向き合うか

 

 

について考えてみたい人に少しでも貢献できれば幸いです。

 

 

 

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