ケンシ@『学び合い』と真正の学びブログ

本の紹介、高等学院の立ち上げ、育児について書いています。以前は、『学び合い』、真正の学び、社会科教育などをメインに書いていました。

GRIT vs RANGE〜やり抜く力か幅広くか〜

 

ホリエモ〜ン!
ケンシです!


今日は


GRIT vs RANGE〜やり抜く力か幅広くか〜


について書きたいと思います。


人生でいちばん大切なものは何?


『GRIT』、やり抜く力だよ!


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という議論があります。


それに対して今回、読んだのが


RANGE 知識の「幅」が最強の武器になる デイビッド・エプスタイン 中室牧子 解説 東方雅美 訳 日経BP 2020


f:id:kenshimanabiai:20211213184609j:image

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です。

 

  • 何かをやり抜くことが大切か
  • それとも、幅広く色んなことをやることが大切なのか


気になる人に向けて書いていきます。
それでは参ります。


もしも心理学者ロビン・ホガースが教員の年功序列の良い・悪いを語ったら〜GRITの効果が薄い分野〜


ボーナスの時期ですね。
教員の世界は年功序列。給料は、年を重ねているかどうかで決まるのが基本です。
生徒の伸びとか、ポートフォリオとか、どんな授業理論に挑戦したかとか、どれだけ仕事をしたかなどは基本関係ありません。


なぜ年を重ねていると給料が高くなるのでしょうか。
それは経験があるから。経験があると仕事の質が高かったり、できる仕事が増えると考えられているからだと思われます。


そうした風潮に対して、本書では以下のように述べられています。

 

 


カーネマンとクラインの共著
→経験が専門的な能力につながるかどうかは、それがどんな領域かによる
 →経験はチェスやポーカーのプレーヤーや消防士の能力向上には効果があるが、金融や政界のトレンドの予測、従業員や患者の能力の予測では効果がなかった 31

クラインが研究した領域は、直感的なパターン認識が強力に働く領域で、心理学者のロビン・ホガースが「親切な」学習環境と名づけた領域だ。同じパターンが繰り返し現れ、非常に正確なフィードバックが、通常はすぐに提供される 31
→ゴルフ 32

 


とのことです。教員の仕事は、経験がどこまで役に立つのでしょうか。チェス、ポーカー、消防士のように経験が役立つ仕事なのか。金融や政界のトレンドの予測、従業員や患者の能力の予測に近いのか。もし、前者のような、ロビン・ホガースが「親切な」学習環境と名づけた領域であれば、経験は役に立ち、年功序列はうなずけます。しかし、もし後者なのであれば、経験も年功序列もイマイチだということになりますね。実は、何事にもやり抜く力、GRITがいいわけではないようです。分野によるんですね。


多動力の科学的根拠


心理コンサルティング会社の集めたエビデンスによると

 

 


他の分野への移行に成功した人は、第一の専門分野を追求しながら幅広い分野のトレーニングを受け、複数のキャリアの流れを維持していた51
一車線の一歩通行の道ではなかった。彼らには「幅(レンジ)」があった 52

 

 


とのことです。『多動力』という本が売れましたが、


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まさに多動力、RANGE(幅(レンジ))が有効だというのが科学的にわかりました。
また、ポイントなのが


第一の専門分野を追求しながら


というところですね。やはりGRITも必要なようです。


何かをやり抜くことが大切か
それとも、幅広く色んなことをやることが大切なのか


に対する結論としては、どちらも大切だ。ただ、やり抜くことで成果をあげる分野は全てではない。


というところでしょうか。
みなさんはどうお考えですか?

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