ケンシ@『学び合い』と真正の学びブログ

本の紹介、高等学院の立ち上げ、育児について書いています。以前は、『学び合い』、真正の学び、社会科教育などをメインに書いていました。

「人数が少なくアットホーム」は学校の宣伝にならない!?

 

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今日は


「人数が少なくアットホーム」は学校の宣伝にならない!?
 

について書きたいと思います。


しばしば


少人数でアットホーム!


というのを売り文句にしている学校を見かけます。


少人数って効果があるのでしょうか。

 

 

メタ分析を統合した結果を示した 8
数百万人の学習者が対象者として含まれる5万本以上の研究を統合した 8

 

 

 

教育の効果 メタ分析による学力に影響を与える要因の効果の可視化 ジョンハッティ 山森光陽 監訳 図書文化社 2018

 


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によると、


 


学校の適正規模は800人であると結論付け、小規模な高校では在籍生徒数とテスト得点とのあいだには正の相関が見られる、大規模な高校を統合するよりも著しく小規模な高校を統合することの方が重要である115
(と述べた研究者もいるそう)

規模が小さすぎても大きすぎても効果的とは言えない115

規模は別の要因によっても左右されると言うことである、すなわち学校に在籍する児童生徒集団が経済的に恵まれている度合いが高いほど適正規模が大きくなり、またマイノリティの児童生徒が多い学校ほど適正規模が小さくなるのである115

生徒数600-900人の高校
→教師同士の協力やティーティーチング、教師自身が自らの働き方に対する提案をすることが多い 116
→コアカリキュラムが全児童生徒を対象に実施されまた能力別に児童生徒を分けたりカリキュラムの価値を薄めたりするような選択科目があまり行われていない116

中規模な学校
→児童生徒と教師との関係がよく、児童生徒がリーダーとなる経験が多く、また児童生徒が教師は自分たちのことに関心を寄せていると感じる傾向が高い116

1学級あたりの児童生徒数を減らすに必要な数十億ドルと言うコストには見合わない118

学級規模縮小の効果量が小さいことの理由の1つとして、小規模学級を担当する教師が大規模学級で行ってきたことと同じような方法による指導を行い、小規模学級の利点が生かされていないと言うことが挙げられる118

直接教授によって学習者を指導するのが優れた授業である場合もあれば(80人以上)、面倒見よく教え学ばせるのが優れている場合もあれば(20-80人)、学習者一人一人との共同作業としての指導と学習が行われるのが優れている場合もある120

教師が小規模学級での指導の仕方に関する再研修を受ければ、学級規模に応じた効果的な方法による指導をするようになるともいいうるが、同時に単に教師一人当たりの学習者数を減らすだけでは教師による指導も学習者のアウトカムもほとんど変わらない120

 

 

そうです。
そもそも中規模、小規模の定義は?


などのツッコミもあるのですが、


生徒の構成や指導法によって適性規模が大きく変わってくるようですね。
全体としてみると、小規模だから学力が上がるわけではなさそうです。


でも、小規模校での経験豊かな先生にインタビューすると、

 


生徒の顔も名前もわかる。学力を伸ばせると思う

 


という答えが返ってきます。

 
データと経験が食い違う時もある。
(経験って一体なんなんでしょう?)


このエビデンスとインタビューを統合して考えると、

 

 

小規模→顔と名前がわかる

 

 

に因果関係があるかもしれないが、

 

 

顔と名前がわかる→学力が上がる

 

 

に因果関係があるわけではないということですかね。


少人数だからアットホームな雰囲気! 先生も顔と名前がわかる!


を「なんとなく安心」ではなく、学力に結びつけるためには

 


 
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などの小規模校ならではの指導法が必要なのでしょうか。

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