意味はないけれど、ムシャクシャするのさ〜!
ケンシです!
今日は
『教育の効果』を読む際の注意点
について書きたいと思います。
今まで、12個も
メタ分析を統合した結果を示した 8
数百万人の学習者が対象者として含まれる5万本以上の研究を統合した 8
教育の効果 メタ分析による学力に影響を与える要因の効果の可視化 ジョンハッティ 山森光陽 監訳 図書文化社 2018
に関する記事を書いてきました。
それだけメタ分析の破壊力が凄まじく、みなさんにお伝えしたいことが多かったからです。
しかし、読んでいて注意しなければいけないなと思った点がありますので、シェアしたいと思います。
1 決定論になりがち
ということです。
5万本以上の研究を統合した結果はこうですよ!
と言われると、
むむむ、従わざるを得ない、、、
感じがしてきます。
ですが、読み手の状況は
50001本目の事例かもしれませんし、
あくまで統合した結果なので、
本の内容とそぐわないデータや事例が出てきてもおかしくありません。
2 学力とは何か、の定義、本書において批判的思考力は学力ではない
探究的指導の効果は学力に対して(d=0.40)よりも批判的思考スキル(d=1.02)に対しての方が高い 216
と述べられているように、本書において、批判的思考力は学力にはいらないようです。
本書における学力は、
浅い理解、深い理解、構成的概念的理解と言う3つのレベルで学力を論じることができる272
であり、
また思考の流暢性、記憶力、応用力、忍耐力、問題解決方略といったことも重要な学習成果である272
そうです。
つまり、思考の流暢性などは学力には含まないのです。
また、
メタ分析の対象となった研究の多くは浅い理解の測定に有効なテストによる測定結果が大部分を占めており、深い理解の測定に見合ったテストが用いられているものも1部見られるが、学習者が教室での経験を通じて構築する構成的概念的理解の測定に見合ったテストが用いられているものは皆無といってよい272
本書に収められた知見の限界の1つとして挙げられるのが、浅い理解、深い理解に関するものが大半を占め構成的概念的理解に関するものがほとんどないと言う点272
とのことです。
学力の定義が
理解
に限定され、かつ深い理解を測るテストはメタ分析の中で少なめのようです。
この辺を注意して読まないとですね。
もしかしたら、
学力=理解
に限定している本書は
時代遅れ
の可能性もあります。
みなさんにとって学力とはなんですか?
知識技能
思考力判断力
学びに向かう態度
ですか?
ケンシは、
『真正の学び/学力質の高い知をめぐる学校再建』フレッド・M・ニューマン(著)渡部竜也・堀田諭(訳)2017年 春風社
で述べられている
真正の学び 3つの構成条件
1 構築された知識
2 鍛錬された探究
3 教室の外での学びの価値
だと考えています。
教室の外で価値がない、文脈がない学びに意味はあるのでしょうか。