ケンシ@『学び合い』と真正の学びブログ

本の紹介、高等学院の立ち上げ、育児について書いています。以前は、『学び合い』、真正の学び、社会科教育などをメインに書いていました。

脳も心もコンピュータで操れるこの時代に〜『ホモデウス(下)』〜

 


仮装大賞!

ケンシです!

 

 

 

今日は

 

 

 

脳も心もコンピュータで操れるこの時代に〜『ホモデウス(下)』〜

 

 

 

について書きたいと思います。

 

 

 

ホモデウス下 テクノロジーとサピエンスの未来 ユヴァルノアハラリ 河出書房新社2018年

 

 

 

 


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を読んでいて、考えさせられた点がありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


特定の願望が自分の中に湧き上がってくるのを感じるのはそれが脳内の生化学的なプロセスによって生み出された感情だからだ、そのプロセスは決定論的かもしれないしランダムかもしれないが自由ではない106

 

 

 

人が自由意志について論じ続けるのは、科学者までもが時代遅れの神学的概念を相変わらず使っていることがあまりに多いからだ108

 

 

 

もし本当に生き物に自由意志がないのなら、それは私たちが薬物や遺伝子工学や脳への直接の刺激を使って生き物の欲望を操作し意のままにさえできることを意味する109

 

 

 

ボラット

アメリカ軍は最近人間の脳にコンピュータチップを埋め込む実験を始めた、この方法を使って心的外傷後ストレス障害に苦しむ兵士を治療できればと望んでのことだ、エルサレムのハダサ病院では医師たちが深刻なうつ病で苦しむ患者の斬新な治療法の開発に取り組んでいる、患者の脳に電極を埋め込み、胸に埋め込んだ極小のコンピューターとつなぐ、コンピューターからの命令を受けると電極は微弱な電流を流し鬱を引き起こしている脳領域を麻痺させる、110

この治療法はいつもうまくいくわけではないがこれまでずっと悩まされてきた暗い空虚な気持ちが魔法のように消えてなくなったと患者が報告する場合もあった111

 

 

 

ヘルメット状の装置(経頭蓋直流刺激装置)

アメリカ軍、オハイオ州、空軍基地

→ドローン操縦士や航空管制官や狙撃兵を始め長時間にわたって行動の注意力を維持する必要のある任務に就いている人の認知能力を実際に高めるという研究結果もいくつか出ている111

 

 

 

ニューサイエンティスト誌の記者サリーアディーは狙撃兵の訓練施設を訪れて自ら効果を試すことを許された、まず経頭蓋刺激ヘルメットをかぶらずに戦場シュミレーターに入った111

自爆爆弾を装着しライフル銃で武装した覆面男性20人がまっしぐらに向かってきたときの恐怖をサリーは次のように描写している 111 112

 

 

 

「何とか1人撃ち殺すたびに、新たに3人の襲撃者がどこからともなく現れる、私の撃ち方では間に合わないのは明らかでパニックと手際の悪さのために銃を詰まらせてばかりだった」112

幸いにも襲撃者は周りを取り巻く巨大なスクリーンに映し出されたビデオ画像に過ぎなかった、それでも彼女は自分のお粗末な対応ぶりにひどく落胆したのでライフルを投げ出してシュミレーターを出なくなったことだ112

 

 

 

その後ヘルメットを被らせてもらった、いつもと違うという感じは特になく口の中がわずかにピリピリし金属のような奇妙な味がしただけだった、それにもかかわらず彼女はランボーかクリントイーストウッドにでもなったかのように冷静に粛々とバーチャルなテロリストを1人また1人と狙い撃ちにし始めた、「20人の襲撃者が武器を誇示しながらこちらに駆けてくるなか、私は落ち着き払って自分のライフル銃を向け、間をとって深呼吸し最寄りの敵を狙い撃ちにしたかと思うとその時にはもう静かに次の標的を見極めていた、ほんの一瞬ぐらいにしか思えないうちに、『よし、そこまで』という声がした。シミレーション室の照明が明るくなった、突然の静寂の中、死体に取り囲まれた私は、もっと襲撃者が現れるものとばかり思っていたので、担当者たちが私の頭の電極を外し始めたときには少しがっかりした、顔を上げた私は誰かが時計を進めたのではないかと訝った、不可解なことにすでに20分が過ぎていた、『私は何人倒しましたか』とアシスタントに尋ねた。すると彼女は不思議そうな顔でこちらを見て、『全員です』と答えた」112

この実験のせいでサリーの人生が変わった、その後の数日で彼女は自分が「スピリチュアルなものに近い体験」をしたことに気づいた、「その経験の特徴は自分が前より賢くなったと感じたり物覚えが良くなったりすると言うものではなかった。112

愕然としたのは、生まれて初めて、頭の中の何もかもがついに口をつぐんだことだった、自己不信と無縁の自分の脳というのは新発見だった、頭の中が突然信じられないほど静まり返った、この経験の後の数週間というもの一番やりたくて仕方なかったのは、あそこに戻ってもう一度電極をつけることだったと言ったら共感してもらえるといいのだが。私は実に多くの疑問を抱くようにもなった、私の心には怒りと敵に満ちた小鬼たちが住み着いて、私を怖がらせて、やりもしないうちから物事をあきらめさせてきたけれど、やつらを別とすれば私は何者だったのか、そしてあの声は皆どこから聞こえてきていたのか113

 

 

 

科学は、自由意志があると言う自由主義の信念を崩すだけではなく、個人主義の信念も揺るがせる114

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この文章を読んでワクワクするとともにゾッとしました。

 

 

 

もう脳も心もコンピュータで操れるんだ。

 

 

 

人間の価値ってなんだろう。

 

 

 

本当に今、

 

 

 

自由意志

 

 

 

ってやつが何か、その価値は何か、はっきりさせないと

 

 

 

SF映画のように、人間は一つのコンピュータで操られ仮想現実を生きることになるかもしれません。

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