ケンシ@『学び合い』と真正の学びブログ

本の紹介、高等学院の立ち上げ、育児について書いています。以前は、『学び合い』、真正の学び、社会科教育などをメインに書いていました。

読書紹介〜『オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一「考えさせられる」入試問題 』


ルーモス!光よ!
ケンシです!


今日は読書紹介〜『オックスフォード&ケンブリッジ大学 世界一「考えさせられる」入試問題 「あなたは自分を利口だと思いますか?」』
(ジョン・フォードン 小田島恒志 こうし 小田島則子 河出書房 2017)


について書きたいと思います。


この本は、実際の入試(面接)で聞かれた問題がのっております。
その問題をジョン・フォードン氏(数百冊本を出版している)が、多様な視点とユーモアで回答していきます。


タイトル通りとても「考えさせられる」ことになりました。
また、知識や見方も身につきおすすめの1冊です。
以下に、本書に載っていた問いを紹介します。
よろしければ、ぜひ考えてみてください。








あなたは自分を利口だと思いますか?

蟻を落とすとどうなりますか?

棒高跳びの世界記録はなぜ6.5メートル程度でなぜ破られないのですか

過去に戻れるとしたらいつにしますか、またそれはなぜですか

あなたはクールですか

もし全能の神がいるとしたら、彼は自身が持ち上げられない石を造ることができるでしょうか?

自分の腎臓を売ってもいいでしょうか?

精神病室者(殺人だけが唯一の楽しみである患者)に、自分は好きなだけ人殺しができる現実世界にいると信じてしまうようなバーチャルリアリティを創出する機械を使わせることは、道徳的に問題ないでしょうか?

肥満の人も無料医療サービスを受けていいでしょうか?

なぜ昔、工場の煙突はあれほど高かったのですか?

なぜ宇宙船の中でキャンドルを燃やせないのですか?

この紙を無限回数折りたたむことができるとしたら、何回折れば月に届く?

歴史は次の戦争を止め得るでしょうか?

誠実は法律のどこにおさまる?

あなたにとって悪い本は?

もし地面を地球の裏側まで掘って、その穴に飛び込んだらどうなりますか?

ガールスカウトには政治目的があるでしょうか?

幸せだ、とはどういうことですか?

スミスはジョウンズが絶壁に向かって歩いているのを見ている。スミスはジョウンズが盲目であることを知っているが、彼のことが好きではないので崖から落ちるに任せている。これは殺人でしょうか?

あなたは自分の頭部の重さをどのように量りますか?

運命とはなんですか?

あなたならリンゴをどう説明しますか?

舞台、つまり意見を表明したり、ただ娯楽を提供したりするための演壇  あなたはこれをどう考えますか?

私は砂漠の石油王で、たまたま一直線上に位置している四つの町に石油を届けることになっている。その四つの町を順番に回るのだが、次の町へ行く前に必ず石油タンクに戻らなければならない。移動距離をもっと短くするにはどこにタンクを置けばいいだろうか? 王族の友人がいて私が望めば無料でいくらでも道路を建設してくれるから、道路の心配はいらない

木を描くとします。その木は現実のものですか?

タツムリに意識はあるでしょうか

なぜ海には塩があるのか

高齢者を生かしておくためにNHS(国民健康保険制度)のお金を使うことになんの意味があるでしょう

ここに3リットル用の水差しが一つと5リットル用の水差しが一つあります。4リットルをはかりなさい

毛沢東主席は今日の中国を誇りに思っただろうと思いますか?

なぜ世界政府はないのでしょう

聖書は架空の物語(フィクション)でしょうか?
また、聖書をチックリット(女の子文学)と呼ぶことは可能でしょうか?

フェミニズムは死にましたか?

牛1頭には世界中の水の何パーセントが含まれていますか?

自分がカリフォルニアにいない場合、カリフォルニアが存在していることをどのように知りますか?
 
人はいつ死んだことになりますか?

チェーホフは偉大でしょうか

クロイドンの人口は?

大型で獰猛な動物はなぜこんなに少ないのでしょう

地球には人が余計にいるでしょうか?

方舟にモーセは動物を何匹乗せましたか?

世界に砂粒はいくつありますか?

ロミオは衝動的ですか?

火星人に人間をどう説明しますか?

あなたは脳のどこが一番好きですか?

なぜ、進化論を信じるアメリカ人はこれほど少ないのでしょう?

どうしたら建築で犯罪を減らせるでしょうか

貪欲は善でしょうか、悪でしょうか

もし友人が私をある部屋に閉じ込めて、5ポンド払いさえすればいつでも好きな時に自由に外に出ていいと言ったとします。これは自由の剥奪でしょうか?

あなたならどうやってタイムトラベルをしますか?

コンピュータは良心を持つことができるでしょうか

古典学部が焼け落ちたらどうなるでしょうか?

ハムレット』はちょっと長いと思いませんか?まあ、私はそう思いますが。

race(人種・類)というものはあるのでしょうか?

ネイチャーはナチュラルですか?

環境は貧困やエイズなどより大きな危機でしょうか

なぜ、神と私は大文字で表すのでしょうか

イギリス国内の貧困と海外の貧困のどちらに注目するほうが重要?

私には考えがある、とあなたに思わせるものは何ですか?







以上が本書に載っていた問いです。
問いとその応答を通し、最終的には以下のように筆者はまとめています。


論理的に討論すること、これは決してもともと話がうまいとか、人と論じ合うのが好きだとかいう適性や好みの問題ではない。人生を成功に導く上で、または組織や会社や国家を説得して何かの目的を果たす上で絶対不可欠の技術だと、イギリスでは考えられている。少なくともオックスブリッジと関わるような人は、早いうちから訓練している。(p268)


討論力を身につけるのは大学に入ってからでは遅すぎる。そういう訓練は入学前にやることで、大学はあくまでも専攻分野における論理的な展開を行うところなのだ (p269)







高校までの教育で何をしなければいけないのか。示唆に富んだまとめでした。


ハリーポッターが生まれたイギリス。そこで書かれたこの本を読み、考えを深めると頭の中でいろいろな世界に行くことができました。
改めて、考えるということは魔法みたいだなぁと実感します。
これからも子どもたちと考え続けていきたいです。

1人も見捨てないを学校の外で実践する


ハッピハッピ〜バースデー!
ケンシです。


今日は


1人も見捨てないを学校の外で実践する


について書きたいと思います。


ケンシは、1人も見捨てないために、つながりを大切にするために。
日ごろから何ができるだろう


と考え、








誕生日を祝っています。








うわっ、なんでこいつから誕生日なんて祝われたんだ
とか
いやだ〜、ケンシくんから連絡きた〜、下心かなぁ〜、いやだ〜








と思わない方の中で、誕生日のわかる方をお祝いしようと思いリストを整理すると








150人になりました。








そこで、毎年、150人の誕生日を祝っています。








何より生存確認になりますし、近況が知れて嬉しいです。
そして困ったら助け合えるでしょう。








昔、友人を亡くしてしまったことがあります。








自分にもっと何かができたんじゃないかと悔やみました。
二度とそんな思いはしたくありません。
だからこれからも祝い続けます。








大切な人達の生存確認。
生きてくれているだけで涙サプライズです。

1人も見捨てないを自分は実践しているのか。

1人も見捨てないを自分は実践しているのか。


ふと今日思ったことです。
私の勤務校にはいくつか分掌があります。
中でも、1つの分掌がとても大変です。
さらにその中でも、ある1人がたくさんの仕事を抱えています。
職場の平均退勤時間は、18時45分。しかし、その方は21時〜22時頃退勤しています。
それを知っているのに。


私は今日、教員仲間のフットサルチームでフットサルをして、心地よい汗をかき職員室に戻りました。そして、そのまま帰ってしまいました。
彼が抱え込んでいるのを知っているのに。
お腹が減って早く家に帰って服を脱ぎたくて。
帰ってしまいました。


子どもたちに、語っていることはなんだったんでしょうか。
1人も見捨てないは別に、自己犠牲をしろというわけではありません。
でも、1人も見捨てないのは得のはずです。
ふと職員室を眺めて。退勤時間の偏りに思いを馳せて。
一体なんだったんでしょうか。
『学び合い』という考え方、1人も見捨てないという考え方。あくまで考え方の1つを語っていたのでしょうか。
とても自分にガッカリしました。


まずは週に30分。自分の仕事の生産性を上げて、彼を手伝うところから始めます。


考え方ではなく生き方を語るために。

先生の説明を聴きたい


繰り返す!このポリリズム
ケンシです!


今日は


先生の説明を聴きたい


について書きたいと思います。


『学び合い』を初めて3年目になりますが、もう3回目です。


3年連続、5月頃に「先生の説明を聴きたい」という生徒と会いました。


本の通りです。


先生の話を聴いたらわかる子
先生の話を聴かなくてもわかる子
先生の話を聴いてもわからない子
がこの教室にはいるよ。いったいみんながわかるためにはどうしたらいいだろう。


という語りも本の通りです。


早速、「先生の説明を聴きたい」といっていた子から「口で説明し合ってよく理解できた」というコメントをもらいました。


困ったら本を繰り返し読み返す。ポリリズムのごとく。
『学び合い』はもちろん、たくさんの本を読み返し、声を聴き合う集団が創れたらと思います。

一人も見捨てない社会をつくる寺!?


好きな寺は山寺宏一
ケンシです!
今日は


一人も見捨てない社会をつくる寺!?


について書きたいと思います。


池上彰さんの『池上彰の宗教がわかれば世界が見える』  (文春新書 2011)


を読みました。


宗教に関する知識はもちろん


「私たちは、宗教の手を借りて、死を考え、死の準備をします。つまり宗教は、「よく死ぬ」ための予習」  (p267)


「宗教に救いを求め、人生の答えを求める。それにより、日本の宗教も変化する。宗教を知ることによって、世界も見えてくる。これが、宗教と私たちとの関係なのでしょう」(p269)


などの論がとても勉強になりました。
その中でも特にビビッときたのが神宮寺というお寺の実践です。
「世界平和を希求する」という目標のもと


介護保険制度と成年後見制度を取り入れることで寺の仕事の幅は広がります。
たとえ高齢になっても、障害をもっても地域で普通に生きられる環境をつくっていくことが重要です。そういったコンセプトが浅間温泉全体をケアタウン化していくという構想につながり、それらが、この寺から発信されている」(p150 151)


と述べられていました。


今までケンシはお寺などの取り組みについて目を向けていませんでした。
(宗教的中立を保ちたかった?)
しかし、お寺が「宗教的なシステム」だけでなく、「社会的なシステム」として機能するなら、、、
そして、本で述べられてるように機能して「一人も見捨てない社会」に貢献するなら、、、


楽しみです。
七色の声に負けじと、七色の思考を持ち、一人も見捨てない社会について考えていきたいと思います。

1、2人しかわからない課題!?


目指せバカボン
ケンシです!
今日は、


1、2人しかわからない課題!?


について書きたいと思います。


以前、「選択授業のお団子課題」について書きました。
選択授業のお団子課題とは、


「授業を受けたい!」と思った子がとる選択授業において、意欲・能力がある生徒が集まり、セオリー通りに「1番早い子が15分でできる課題」をだすと、みんながお団子のように固まって15分〜20分くらいに課題を達成し、ネームプレートを動かしに来る現象


を指しています。


これを改善するため『学び合い』熟達者の方にもらったアドバイス


1人、2人しかわからない課題を忍ばせる


です。


このアドバイスを実践し、
押し付け憲法だ、という資料
押し付け憲法ではない
という資料を配り、


日本国憲法押し付け憲法か。
仲間に説明し納得してもらったらサインをもらおう


という課題を出しました。
大人でもとても難しいし、そもそも相反する資料を与えられそれを調整するのは、自分の中の軸、価値観がないとできないこと。
こちらの狙い通りに、この課題を乗り越えられたのは1、2人でした。


が、








これでいいのか〜?







と思いました。
達成した2人はサインをもらえたのですが、サインをくれた子以外に説明しても納得してもらえず、達成していない子を助けられませんでした。
また、本来注目するべきではありませんが、達成していない子は


「1人も見捨てない」ために一生懸命考えているのではなく、「この問題を解きたい」がために一生懸命頑張っている様子でした。


しかし、、、
自分が成すべきは、達成していない子を見ることではなく、達成した子の動きであり、
2割にどう語るかです。
1,2人しかわからない課題でもそこは一緒です。
そしておそらく心の中で、


時間余らずみんなが活動できるように


ということを願っていたのかもしれません。


本来願うべきは、一人も見捨てないです。
そこを見失ってはいけません。


これでいいのだ〜


バカボンばりに言えるよう頑張っていきたいと思います。

『学び合い』だけができること?〜初めての全員達成〜


晦日はハッピー岡田!
ケンシです!
今日は、


『学び合い』だけができること?〜初めての全員達成〜


について書きたいと思います。


7度目で『学び合い』初の全員達成をしたクラスがありました。


たくさんの子が振り返りに


みんな終わって嬉しかった


全員達成して嬉しかった


と書いてくれてとても嬉しかったです。
さらに、今まで誰とも話すことのなかった子が、課題は終わるのにサインがもらえなくて苦しそうな子をしていた子が、








話しかけてくれて私の説明聞いてくれて納得してくれて嬉しかった。







と振り返りに書いてくれました。
グループワークで強制的に話したのではなく、生徒達が自ら、その子に話かけたのがすてきだなぁとおもいました。


このシチュエーション、授業で見られるのは『学び合い』だけかも?


生きててよかったです。
とてもハッピーな気持ちになりました。
生徒たち、ありがとう。

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