ケンシ@『学び合い』と真正の学びブログ

本の紹介、高等学院の立ち上げ、育児について書いています。以前は、『学び合い』、真正の学び、社会科教育などをメインに書いていました。

読書紹介〜『里山資本主義』〜

 

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ケンシです!


今日は


読書紹介〜『里山資本主義』〜


について書きたいと思います。


里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く  藻谷浩介  NHK広島取材班  角川書店 2013


を読みました。


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平成合併前の約3200市町村のすべて、海外59カ国を概ね私費で訪問した経験を持つ編者の本です。

 


ちょっと釣り糸をたれれば、その日の夕食を飾るアジの1匹くらい釣れるかもしれない、そうした恵みを享受する暮らしを年金に頼る暮らしのサブシステムとして組み込んでみてはどうだろうか、今まで私達はそういう営みをちゃんとした経済に入れてはいけないと思ってきた、または思い込まされてきた。それに異を唱えようというのが里山資本主義である p14

 


里山資本主義とは、お金の循環が全てを決するという前提で構築された、マネー資本主義の経済システムの横にこっそりとお金に依存しないサブシステムを再構築しておこうという考え方だ

 

という論を軸に、

 

岡山県真庭市 の1時間に2000キロワット。2000世帯分の電力をバイオマス発電によりつくり年間1億円節約した企業の事例や、

 


高齢の皆さんのつくった野菜を福祉施設で利用し、対価に地域通貨を渡す自治体の事例。

 


脱原発憲法に明記し、エコ電力法により電力の輸入を全て停止し、原発由来の電力を完全に排除することを目指すオーストリアの事例。

 

などを挙げ、

 

持つべきものはお金ではなく、第1に人との絆だ
第2は自然とのつながりだ
里山資本主義の向こう側に広がる、実は大昔からあった、金銭換算できない世界、そんな世界があることを知り、できればそこと触れ合いを深めていくことが、金銭換算できない本当の自分を得る、入り口ではないだろうか  154

 


人類社会学者・広井良典 さんの言葉
"人類は「懐かしい未来」に向かっているのではないか"
を引用し

 

里山資本主義の提案をする本でした。

 

 

これから自分はどこに住むのか。

地産地消したり、畑を持ってみたり?

自分の生活を考えるのにも役立ちますし、
授業だと、


『地方消滅』VS『里山資本主義』
日本の未来はどちらか。


というテーマに使えたり、再生可能エネルギーの事例や地方再生の事例に使える素敵な本でした。
ぜひ、吉幾三さんと読みたいです。

 

 

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