チェンジ!!
ケンシです!
今日は
『公務員革命』から考える教員の働き方改革
について書きたいと思います。
公務員革命 彼らの〈やる気〉が地域社会を変える 太田肇 ちくま新書 2011
を読みました。
ググッと来たところをまとめます。
やる気がなくなった要因 21 25
→目に見える待遇悪化
→公務員への厳しい視線、あるいはバッシング
→公務員のマネジメント
公平理論 21 22 JSアダムスらが唱える
→人は自分の仕事に対するインプットと、仕事を通して得られるアウトプットが釣り合っていると感じたとき、すなわち貢献に見合った報酬が得られているとと思えば満足する
周知のように産業界では千九百九十年代末から今世紀初めにかけて成果処理が流行した、名だたる大企業が競うようにして制度を取り入れ人事制度改革と言えば成果主義導入というような時代だった、しかしそれも長くは続かなかった多くの企業が一旦導入した成果主義を短期間のうちに事実上撤回もしくは大幅に見直した、撤回や見直しの理由としては成果主義が社員の動機付けや生産性向上の面で目立った効果をもたらさなかったことに加え、社員の不満や不公平感が予想以上に大きかったことなどが挙げられている、成果主義が動機付けにそれほど効果がなく逆に不満や不公平感を増大させたというのは既存の理論に当てはめても納得がいく、臨床心理学者のFハーズバーグは今から約半世紀前アメリカのピッツバーグ市で技師や会計士約二百人に面接調査を行いそこから次のような発見をした、それは満足をもたらす要因と不満をもたらす要因は別だというのである、満足をもたらす要因には達成、承認、仕事そのものなどが含まれ、不満をもたらす要因には給与、上司との人間関係、作業環境などが含まれる、つまり、給与はそれが積極的なやる気をもたらすというよりも、むしろ不足している時や不公平な時に不満をもたらす性質のものなのである三十二三十三
部下が1番やる気をだすのはどんなとき? 66
仕事を任せた時
プロジェクトに参加している時
自律性 102 103
→仕事の自律性
→日々の仕事の中にどれだけ自分の裁量や判断の余地が存在するか
→行動の自律性
→勤務時間や休息、仕事をする場所などがどれだけ自由に決められるか
→キャリアの自律性
→携わる仕事、働く職場、伸ばしていく能力、進んでいく道を自己決定できること
将来に大きな夢を持てば、おのずと仕事の視野が広がるし、広い範囲の人とコミュニケーションを取ろうとする、それが役所の内向きで閉鎖的な体質を変えることにも繋がる、また定年まで勤めることを前提にするとどうしても人は保守的になる、敵を作ったり波風を立てたりすると後が大変だし、上司に睨まれて左遷されたら職業人生を棒にふることになる、しかしいざとなれば転職できると思えばリスクを犯して挑戦する気にもなる、今の時代に求められているのはそのような心意気の公務員ではなかろうか175
まだまだ引用しきれませんが、特にご紹介したいのは上の文章です。
公務員革命について科学的な議論や実例を踏まえて述べられた良書でした。
ここから、教員の働き方改革について考えると、
1 公平理論の見方をすると、やはり給料や休暇など、インプットとアウトプットを調整しなければならない。
2 安易な成果主義は成果をあげない。
3 キャリアの自律性を確保する。
などが挙げられると思います。
個人という視点で見ると、1、3が大切になってきます。
1 は自助努力で生産性をあげていく。
3は「教員中」「教員後」のキャリアを考えることが大切なのかもしれません。
例えば、Twitterやブログなどでは、バンバン本を出版する方や、原稿、論文を書き、教員としてだけでなくセミナー講師なども務める方がいます。
また、軽井沢風越学園やN高等学校など新しい教育を志向する学校に勤務する方も。
そして、その先に、
大学教授
教育政策研究所
民間(教育、出版、メディア、人材系?)
行政
など様々なキャリアが待っています。
一生、子どもたちと関わっていきたいんだ
という方も含めて関係のある話です。
今後、キャリアは複数選ぶ時代になっていくと思います。
「教員中」「教員後」のキャリアを考えることが視野を広げ働き方を変えてくれるかもしれません。