ケンシ@『学び合い』と真正の学びブログ

本の紹介、高等学院の立ち上げ、育児について書いています。以前は、『学び合い』、真正の学び、社会科教育などをメインに書いていました。

なぜジグソー法ではなく、科学的探求を実践するのか

 

おかしちょうだい!
ケンシです!


今日は


なぜジグソー法ではなく、科学的探求を実践するのか


について書きたいと思います。


この記事では、
知識構成型ジグソー法を「関わり合いを通して一人一人が学びを深める」


授業方法と定義します。
https://coref.u-tokyo.ac.jp/archives/5515


ケンシは何度かしか、実践したことがないのですが、とてもパワフルで学びを深める方法だなと感じました。


問いを設定する
意識化する(現時点での問いに対する答えを書く)
エキスパート活動(同じ資料を読み合うグループを作り、理解を深める)
ジグソー活動(違う資料を読んだ人が一人ずついる新しいグループに組み替え、さきほどのエキスパート活動でわかってきた内容を説明し合う)
クロストーク(エキスパート活動、ジグソー活動を生かして、最初の問いを考える)
一人に戻って問いに向き合う。


という流れで行う授業方法です。


『協調学習とは : 対話を通して理解を深めるアクティブラーニング型授業』三宅なほみら 北大路書房 2016

https://amzn.to/3mAT8v6


を読むのがわかりやすいかもしれません。


それに対して、科学的探求とは


MQ(中心的な問い)をSQ(小さな問い)と資料を通して考えていく授業です。


『社会科授業づくりの理論と方法 本質的な問いを生かした科学的探求学習』 渡部竜也・井手口泰典 明治図書 2020


f:id:kenshimanabiai:20210828181215j:image

 


https://amzn.to/3krjD3n
がわかりやすいですね。


知識構成型ジグソー法と科学的探求学習具体的にどう違うか。
例えば、


なぜ元禄文化は大坂町人の間で花開いたの?
(文化を市民が担うための条件は?)


という問いで考えてみます。


知識構成型ジグソー法の場合は、


大坂の様子
地理的な視点
経済の発展


などそれぞれの視点で用意された資料を
教員に割り振られたグループでエキスパート活動を通して分析します。
大坂の様子チームは大坂を。地理的な視点チームは地理的な視点を。
そしてジグソー活動でシェアをします。


とても学びになる方法です。
しかし、子どもたちが最初の予想で


町人が力をつけたからと考えても
教員が割り振ったチームで資料を分析するので、子どもの思考の流れが不自然になる可能性があります。


それに対して、
科学的探求学習は


最初に小さな問いとして、教師が


なぜ大坂で栄えたんだろう?


という小さい問いと資料を用意していたとしても


子どもの予想が


町人が力をつけたから!


だとしたら、順番を入れ替えて

 

 


なるほど。
町人は力をつけたのかな。
力をつけたとしたらなぜ力をつけることができたんだろう?


という形で、子どもの思考に合わせて柔軟に問いや資料を入れかえられます。


加えて、大人になってから(ならなくても)

 

 


なぜ日本は人口1億人前後で、1日あたりの陽性者が1万人もでるのに、人口14億前後の中国は100人しか出ないの?

 

 

という問いを持ったときに、どう調べますか?


日本 陽性者多い なぜ


中国 コロナ 現状


など


大きな問いを小さくして探求していくのではないでしょうか。


何人か誘って、いくつかのチームに分かれて
日本側の資料を探求する人
中国側の資料を探求する人


それぞれがわかったことをシェア


などしないのではないでしょうか?


以上、


1 子どもの思考に、自然に寄り添える
2 日常における探求の流れと合致している


という2点の理由から、私は知識構成型ジグソー法ではなく、科学的探求学習を実践しています。


生徒が自然な思考で、日常から探求し「社会のおかしさ」を分析できるような子になってくれたらなと願っています。

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