但し書きには注意!
ケンシです!
今日は
について書きたいと思います。
ノーベル文学賞にも輝いた
忘れられた巨人 カズオイシグロ 土屋政雄訳 早川書房 2017
https://amzn.to/3deU69b
を読みました。
あらすじは
です。
何か一つのきっかけで変わったのではなくて、二人で分かち合ってきた年月の積み重ねが徐々に変えていった 471
ゆっくりしか治らないが、それでも結局は治る傷のようなもの 471
霧にいろいろと奪われなかったら、わたしたちの愛はこの年月をかけてこれほど強くなれていただろうか。霧のおかげで傷が癒えたのかもしれない 477
という表現から、
憎しみとどう向き合うべきか。憎しみと向き合うのに忘却は有効か。
という問いが得られます。
解説を書かれた江南亜美子さんの解説の言葉を借りれば、
忘却か対話か、再びの戦闘か 488
という問いが得られます。
こうした発想から
〇目標
MA(メインアンサー)を資料を使い論理的に表現できる。
歴史認識や教育政策について自分の意見を持ち表現できる。
〇MQ(メインクエスチョン 中心発問)
憎しみとどう向き合うべきか。
〇展開
認識や教育政策について様々な立場(忘却か対話か)の資料を探究する。
→部落問題(積極的な教育か寝た子を起こすな論か)
→領土問題(日本と他国の教科書を比較する)
→戦争史(日本と他国の教科書を比較する)
〇まとめ
MA(メインアンサー)を書く
という流れで、中学高校の部落問題や領土問題、戦争史の単元のまとめ、もしくは単元を貫くという問いや導入として使えるかもしれません。
この文脈で領土問題を出すと
尖閣諸島は我が国固有の領土と理解させなければならない
だから、批判的な吟味、オープンな探究は不可能だ
という方もいるかもしれません。そんな方には、
『“国境・国土・領土”教育の論点争点
過去に学び、世界に学び、未来を拓く社会科授業の新提案』 草原和博 渡部竜也 明治図書 2014
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『教師のゲートキーピング 主体的な学習者を生む社会科カリキュラムに向けて』
スティーブン・J・ソーントン(著)/渡部竜也、山田秀和、田中伸、堀田諭(訳)/春風社2012
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がおすすめです。
ゲートキーピング(カリキュラムの調整)をしましょう。
尖閣諸島は日本固有の領土だよ、それが日本政府の立場だから理解してね
と数分説明し、その後、公民的資質に必要な批判的思考力を養っていこう!
と吟味すれば学習指導要領をきっちり守った授業が可能です。
学習指導要領は、領土問題について他国の見解を教えてはならない
などと一言も書かれていません。
(昔は、歯止め規制があり、一揆などを教えるのが制限されていたんですよね、とほほ)
また、
『戦争を記憶する 広島・ホロコーストと現在』藤原帰一 講談社現代新書 2001
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を引用して、
正しい歴史に代わるもの。それは、さまざまの、正しいかもしれない歴史
という言葉を紹介してもいいかもしれません。