正月、高校の悪友たちが上海に遊びに来た。
合宿所の雪のような真っ白い壁をケチャップで真っ赤っかに染めあげて。
一緒に反省坊主になった連中だ。
友達がフラれるたびに、槇原敬之の「もう恋なんてしない」を大熱唱し一緒に後ろ指さされていた連中だ。
中には、3年ぶりに会うやつもいた。
ふと、大好きなコブクロの楽曲。「同じ窓から見てた空」の一節を思い出す。
only a few minutes are enough to
bring us back those good old days.
再開してほんの数分で、あの頃に戻れたような気がした。
高校時代。高校生になっても「NARUTO」人気は冷めずに燃え上がっていた。
それで流行ってたのがこれ。
忍者走りだ。
上海のオシャレな観光地を歩く。昔話に花が咲く。当時の記憶が、匂いが、感覚が、蘇っていく。
気づくとついやってしまった。
忍者走り。
old day に、bringされるのがenoughすぎるわ。
なにやってんだ。もう所得税も住民税も払ってるのよ?もう、四捨五入したら30よ?アラサーだよ? という後悔。
おい、お前恥ずかしいからやめろよ。
俺らそんな歳じゃねぇよもう。
とさすがに言われる。これは言われる。これは仲間内で浮くわ。友達とじゃれてたら急に指が相手の目に入っちゃってシュンとしてしまう時くらいシュンとされるわ。どうしよう。
ふと、気配を感じる。後ろを振り返る。
仲間が追いかけていた。忍者走りで。
もう一度、歌の歌詞が頭に浮かぶ。
あの頃は迷ったり、考える暇さえも邪魔くさくて
みんなでいれば何だって出来るような気がしていた
どこへでも行って、やるだけやって
時々バカを見て
そうさ、わかっていても、それでも
僕らを止めるものなど何もなかった
元気で。元気で。